当研究所では2023年7月からWindows 11の導入を開始し、2024年5月現在、保有するほぼすべてのPCがWindows 11へ移行した。ほとんどのPCは難なく移行できたのだが、唯一手こずったPCがある。それは、本記事のタイトルにもあるPRIME H310I-PLUS R2.0/CSM機である。
PRIME H310I-PLUS R2.0/CSMは、当研究所に導入した2020年4月の時点ではWindows 11には対応していなかったが、2021年8月にWindows 11に対応するBIOSが公開された。裏を返せば、Windows 11に移行するにはBIOSの更新が必須となる。
そして、そのBIOS更新、正確にいえば更新後のBIOSの設定で泥沼にはまったのだ。本稿は、そこで重ねた試行錯誤の備忘録である。
Windows 11に対応するBIOSはメーカーのサポートページで公開されており、そこでは次のように説明されている。
PRIME H310I-PLUS R2.0 BIOS 2208
バージョン 2208
9.22 MB
2021/08/05
Support Windows 11 by default, no settings changes required in the UEFI BIOS.
最後の文は「デフォルトでWindows 11をサポートし、UEFI BIOSの設定変更は必要ありません」という意味のはずだ。だが、実際には設定を変更しなければならない。それでドツボにはまったのだ。
その後、BIOSをいじり回した結果、Windows 11に対応させるために必要なBIOSの設定は以下の3か所であることがわかった。
このうち、TMP Device Selectionは、BIOSを書き換えると自動的にFirmware TPMに設定される。しかし、OS TypeとBoot Device Controlはユーザーが変更しなければならない。
さらに罠がある。いろいろ変えてもうまくいかないからといって、Default(F5)でBIOSを初期状態に戻すと、TMP Device SelectionがDiscrete TPMになってしまうのだ。これに気づかないと、どの設定がまずいのかますますわからなくなる。
これはあまりにもハードルが高いのではないだろうか。Windows 11への移行をあきらめさせて、新しいマザーボードを購入させたいのではと勘ぐってしまう。
BIOSの設定さえクリアしてしまえば、Windows 11のインストールでつまづくところはない。Core i5-13600T+B760M-ITX/D4 WiFi機と同様の手順で環境を構築する。
当研究所の都合により、本機はDVD-RAMドライブ専用機からサブ機へ格上げされた。それに伴い、CPUがPentium Gold G5400TからCore i5-9500Tへ、光学ドライブがLF-M721JDからBDR-212XJに更新されている。また、この機会に電源とCPUファンを交換し、SSDも大容量のものに変更した。
現在の構成は以下のとおり。
当研究所では4年から5年を目安にPCを更新する方針だが、本機はまだまだ現役で使えそうである。
従来、この手のトラブルはGoogle検索を頼りに解決してきたが、今回はあまり役に立たなかった。「PRIME H310I-PLUS R2.0/CSM Windows 11」で検索すると、価格.comのクチコミ掲示板がヒットするが、Windows 10からのアップグレードを想定した内容らしく、当研究所のような新規インストールとはやや異なる内容のように見える(参考にはなった)。結局、それっぽい項目を総当たりで試すという力技で解決したのだ。
当研究所が開設された2000年前後であれば、この手の情報はあっさりと手に入ったような気がするのだが、過去の思い出が美化されているだけなのだろうか。Windows 11のインストールの進行を見ながら、そんなことを考えてしまった。