Digiwalker Mio P350を導入してから2年半、ずっと使い続けてきたPocket Mapple Digital 10。機能や操作性に不満はないものの、地図データが実態と合わない場面が目立つようになってきた。そこで最新のPocket Mapple Digital 12へ更新したのだが、例によっていろいろ苦労するはめになったので、ここにその顛末を記しておく。
Mio P350へのPocket Mapple Digital 12の導入あたって、ひとつ問題があった。Mio P350がSDHC非対応ということである。なぜこれが問題なのかというと、全都道府県の地図データを全縮尺、標準データで出力すると2.4GBにもなるのに、SDHCではない従来のSDメモリーカードの最大容量は2GBしかないからだ。
詳細図をあきらめるか、軽量データ出力にすれば2GB以内に収まるが、詳細図がないと不便だし、軽量データ出力はトンネルが非表示になることがPocket Mapple Digital 10で経験済みである。したがって、全都道府県、全縮尺、標準データ出力はゆずれない。
さあ困った。ところが、世の中には親切な人がいるもので、SDHC_DRIVERS_FOR_C550_AND_N560_BY_GreateVK_AND_FreePK.cabというドライバを入れるとあら不思議、SDHC対応に早変わり。これで地図の容量問題は無事解決。
ドライバのありかは、ググれ(霧島・ティルトウェイト・さくら風)
Pocket Mapple Digital 12本体のインストール手順はPocket Mapple Digital 10と同じ。スーパーマップル・デジタル12がインストールされているPCから本体(Pocket Mapple Digital 12_WM5.CAB)、住所検索データベース(Pocket Mapple Digital_ADDRESS.CAB)、駅名検索データベース(Pocket Mapple Digital_STATION.CAB)をP350上で実行するだけだ。
地図データのインストール手順もPocket Mapple Digital 10と同じ。ただし、フォルダ構成がPocket Mapple Digital 10から変わり、メモリのルート - [Program Files]フォルダ - [PocketMapple]フォルダ - [Map]フォルダと地図セットファイルになった。
ところが、マニュアルにはこのフォルダ構成がはっきりと書かれていない。「ActiveSyncを利用しない場合は、 スーパーマップル・デジタルから出力された「Program Files」以下のフォルダー内のファイルを個別にコピーしてください」とあるけれど、これはなんの説明にもなっていない。肝心の「どこに」が抜けているのだ。
そんなのPDAの[Program Files]フォルダに決まっているじゃないか、わざわざ書く必要もないだろうというのがマニュアル作成者の主張らしい。まあ、気持ちはわからないでもないが、それはあまりにも不親切ではなかろうか。
本体の内蔵メモリにインストールするならまだ話はわかる。間違いなく[Program Files]フォルダがあるからだ。しかし、地図データのインストール先として推奨されているのは外部メモリである。そして、外部メモリには[Program Files]フォルダがあるとは限らない。
外部メモリは、なんらかのアプリケーションをインストールしないと[Program Files]フォルダが生成されないが、たいていのアプリケーションは本体へのインストールを推奨しており、Pocket Mapple Digitalも例外ではない。したがって、外部メモリに[Program Files]フォルダがなくてもおかしくない。むしろ、ない場合のほうが多いのではないか。
まっさらな外部メモリを目の前にして、[Program Files]フォルダをどこにつくればいいのか。正解は前述のようにルートなのだが、それをすべてのユーザが知っているとは思えないし、知る必要もないだろう。[Program Files]フォルダの場所を決めるのはOSの仕事でPocket Mapple Digitalと直接関係がないとはいえ、もう少し丁寧に説明しても罰は当たるまい。
間違ったことは書いていないし、よく読めば必要最低限のことは書いてある。でも、不親切でわかりにくいったらありゃしない。マニュアルの改善はPocket Mapple Digitalシリーズの永遠の課題なのかもしれない。え?わからないのはお前だけだろうって。それが否定できないのが悲しいところ。
あ、ActiveSync経由で入れればいいじゃんってツッコミはなしで。
そんなこんなでいろいろあったものの、起動してしまえばこっちのもの。まずはPocket Mapple Digital 10と比較してみよう。操作方法にほとんど違いはないが、表示には少し違う部分がある。一例として、中部天竜駅(静岡県浜松市天竜区)付近で比べてみた。

Pocket Mapple Digital 12 中部天竜駅付近 中域図(縮尺1/35,000)

Pocket Mapple Digital 10 中部天竜駅付近 中域図(縮尺1/35,000)
まず目に付くのは、Pocket Mapple Digital 12のほうが情報が多いということだ。Pocket Mapple Digital 10では中部天竜駅と佐久間駅だけだが、Pocket Mapple Digital 12では佐久間発電所と佐久間第二発電所が増えている。
表示される記号もPocket Mapple Digital 12のほうが多い。Pocket Mapple Digital 12では静岡県道291号 中部天竜停車場線の県道番号が表示されている。佐久間駅近くの赤丸は佐久間地域自治センターだ。凡例では区役所となっているので、それに準じた扱いらしい。
さらに、Pocket Mapple Digital 12では記号が大きめに表示されている。わかりやすいのが佐久間駅近くのENEOSだ。よく見ると信号機も大きくなっている。Pocket Mapple Digital 10では表示されている中部天竜駅の南西のモービルがPocket Mapple Digital 12では非表示だが、これは廃業したらしい。
また、Pocket Mapple Digital 10とPocket Mapple Digital 12では、鉄道、道路ともにトンネルの表示がずいぶん異なる。Pocket Mapple Digital 10では太さはそのままでグレーアウトしているだけだったが、Pocket Mapple Digital 12では鉄道トンネルはグレーの点線、道路トンネルはグレーの細線となった。
ややわかりにくいが、佐久間駅から飯田線に沿って北東に延びる県道(静岡県道290号 水窪羽ケ庄佐久間線)の幅が違う。Pocket Mapple Digital 12のほうが太い。そういえば、鉄道はPocket Mapple Digital 12のほうがわずかに細いかもしれない。
ではPocket Mapple Digital 12のほうが全体的に表示が大きく、太くなったのかといえば、必ずしもそういうわけではない。もっと縮尺を上げて比較してみる。場所は茨城県日立市十王町だ。

Pocket Mapple Digital 12 日立市十王町友部川上地区 小域図(縮尺1/12,000)

Pocket Mapple Digital 10 日立市十王町友部川上地区 小域図(縮尺1/12,000)
画面の左を上下に横切るのが常磐自動車道。Pocket Mapple Digital 10では単なる太い道路だが、Pocket Mapple Digital 12では中心に白い線が入っている。画面左から入って新高橋から上に向かう茨城県道10号 日立いわき線と、画面上から常磐道をくぐって左に抜け茨城県道60号 十王里美線もPocket Mapple Digital 12のほうが太く表示されている。
ところが、Pocket Mapple Digital 10ではそれ以外の市道の太さが3種類あるのに、Pocket Mapple Digital 12では幅1ピクセルの1本しかない。これでは、幅員に余裕のある道路とそうでない道路の区別がつかないではないか。もう1段階縮尺を上げるとPocket Mapple Digital 10と同様に市道の太さが変化するけど、その状態では見える範囲が狭すぎる。車での移動だとせいぜい30秒先までしか見えないぞ。
今時320×240なんて画面で使うなということなのだろう。参考までに、HYBRID W-ZERO3に入れて中部天竜駅付近を表示するとこうなる。

HYBRID W-ZERO3 中部天竜駅付近 中域図(縮尺1/35,000)
見えている範囲が全然違う!これが正しい使い方なんだろうな。
Windows Mobileが絶滅寸前の今、Pocket Mapple Digitalがどこへ向かおうとしているのか気になるところだ。Googleマップという強敵もいることだし。Windows Phone 7で延命するのか、それともAndroidに向かうのか。iPhone/iPadは…ないだろうな。
最後に、Pocket Mapple Digital 10のときも書いたけど、Pocket Mapple Digital本体のできはよいのだからマニュアルはもっとしっかりしてほしい。本当にもったいないし、そうしないと生き残れないぞ。