Digiwalker Mio P350 三代目車載GPS

はじめに

2004年から使ってきたiPAQ h2210がついに故障した。データ通信ポートにがたつきが生じ、充電できなくなってしまったのだ。長距離のドライブには不可欠なので、早急になんとかしなければならない。とはいえ、中古のh2210を手に入れて環境を再構築しても、また同じ故障をするのは目に見えている。それに、最新のPocket Mapple Digital 10はPocket PC 2003に対応しておらず、h2210ではインストールすらできない。

そこで、この機会に、車載GPSをDigiwalker Mio P350とPocket Mapple Digital 10の組み合わせに更新することにした。

石尊山(茨城県日立市)にて
石尊山(茨城県日立市)にて

改稿(2019年8月4日)
再掲にあたり全面的に改稿しました。

Digiwalker Mio P350

Mio P350は、マイタックジャパンが販売していたPDAである。画面サイズは3.5インチ、画面解像度は240×320で、メモリはRAMが64MB、ROMが1GBである。OSはWindows Mobile 5.0。GPSアンテナが内蔵され、外部メモリとしてSD/MMCメモリカードが使用できる。

ナビゲーションシステムとしての利用が想定されており、ナビゲーションソフトウェア MioMap 2.0、電子地図 Pocket Mapple Digital 7 for Mioがプリインストールされている。ただし、今回はPocket Mapple Digital 10を使うので、これらのプリインストールソフトは使わない。

電源コネクタはmini USBなので、給電には汎用のUSBケーブルが使える。実際のところはわからないが、少なくともh2210のデータ通信ポートよりは頑丈そうだ。

Mio P350の発売開始は2006年6月。4年も前の機種なので新品の入手はほぼ不可能である。PDA工房にて、中古機を13,650円(送料込み)で購入した。

Pocket Mapple Digital 10

Pocket Mapple Digital 10は、スーパーマップル・デジタル10に付属するWindows Mobile向けのアプリケーションである。動作環境は日本語版Windows Mobile 5.0/6(Standard Edtionを除く)だ。Pocket PC2002/2003/2003SEには対応していない。

Pocket Mapple Digital 10のインストール手順は次のとおりだ。まず、スーパーマップル・デジタル10がインストールされているPCから本体(PMD10_WM5.CAB)、住所検索データベース(PMD_ADDRESS.CAB)、駅名検索データベース(PMD_STATION.CAB)をSDメモリカードにコピーし、Mio P350上で実行する。当研究所では、推奨どおりMio P350本体にインストールした。

次に、スーパーマップル・デジタル10がインストールされているPCで地図データを作成する。地図データはラスター地図とベクトル地図が選べるが、拡大、縮小ができないラスター地図は車載GPSには不向きである。当研究所ではベクトル地図を選択した。

ベクトル地図には詳細データ、標準データ、軽量データの3種類がある。詳細データは等高線や詳細な建物が含まれるが、そのぶんデータ量が大きくなってしまう。軽量データは標準データから情報を減らし、データ量を小さくしている。

これとは別に、地図縮尺に応じた地図種類がある。広域図(1/75,000 - 1/150,000)、中域図(1/20,00 - 1/50,000)、小域図(1/8,000 - 1/17,000)、詳細図(1/2,000 - 1/7,000)だ。地図データのデータ量は、詳細/標準/軽量と縮尺の組み合わせで決まる。

SDHC非対応のMio P350では、データ量をSDメモリカードの最大容量である2GB以内に収めなければならない。そこで、当研究所では、データ量が約770MBですむ標準データ×小域図の組み合わせで運用することにした。範囲はもちろん全都道府県だ。

理想は全都道府県の詳細データ×詳細図だが、データ量が6GBにもなってしまう。標準データ×詳細図でも2GB超となってしまい、SDメモリカードに入り切らない。軽量データ×詳細図は1.5GBなので運用可能なのだが、軽量データはトンネルが表示されないという問題がある。下の画面を見れば一目瞭然だろう。

Pocket Mapple Digital 10 軽量データ
Pocket Mapple Digital 10 軽量データ(縮尺1/35,000)

画面中央付近からやや左側を画面上へと伸びる道(静岡県道1号 飯田富山佐久間線)が途切れ途切れで、行き止まりのように見えてしまう。中部天竜駅 - 佐久間駅間の国道473号、中部天竜駅から下の鉄道(飯田線)のトンネルも表示されない。一方、標準データでは下のような表示になる。

Pocket Mapple Digital 10 標準データ
Pocket Mapple Digital 10 標準データ(縮尺1/35,000)

標準データではトンネルがきちんと表示され、道のつながりがわかる。山越えにトンネルが多用される現在、トンネルが表示されないのは困る。そういうわけで、当研究所では軽量データの運用を断念した。

PCで作成した地図データは、ルートに[Shobunsha]フォルダ、その中に[Map]フォルダと地図セットファイルとなるよう、SDメモリカードにコピーする。ところが、このファイル構成に関するマニュアルの記述があいまいなため、地図が認識されず苦労することになった。

よく読めば、SDメモリカードのルートが[Shobunsha]フォルダとなるようにとの記述があるのだが、ラスター地図のインストールの説明の後に記載されているので気が付きにくく、ベクトル地図の説明で例示されている図では[指定したフォルダ] - [Shobunsha]となっていて紛らわしい。当初、[指定したフォルダ]をPocket Mapple Digital 9以前のPocket PC2002/2003版と同様、ルート直下の[My Document]フォルダだと思い込み、そのようなフォルダ構成にしてしまった。そのため、地図が認識されなかったのだ。

マニュアルが不親切なのは相変わらずである。Pocket Mapple Digital本体のできはよいのだから、もう少し気を使ってもらいたい。

追記(2019年7月7日)
Pocket Mapple Digital 12への更新にあたり、SDHC対応ドライバを導入し、SDHCメモリカードの運用が可能になりました。ただし、導入したドライバは非公式なものなので、当研究所では紹介しません。

車載GPSとしての設定

最初に、プリインストールされているPocket Mapple Digital 7 for Mioをアンインストールする。続いて、GSFineder、GSPocketMagic、tGetFile.dllをインストールする。これらがないとファイルのコピーすらままならない。Pocket Mapple Digital 10をインストールしたら、[スタート]→[設定]→[システム]→[電源]→[詳細設定]で、外部電源使用時に画面が常時点灯するよう設定する。これで運転中に画面が消えなくなる。

当研究所の個体は、午前0:00に自動で電源が入りサスペンドが有効にならず、いつの間にかバッテリが消耗してしまうというWindows Mobileでよくある不具合が発生したため、対策としてCeSleepを導入した。車載では常時給電とはいえ、いざというときにバッテリ上がりでは困る。

最終的なToday画面はこんな感じだ。きわめてシンプルである。左上の「スタート」からGSPocketMagicのメニューを表示させ、その中からPocket Mapple Digital 10を起動させる。

Today画面
Today画面

Mio P350の拡張スロットはSD/MMCメモリカード用のものがひとつあるだけで、手持ちのNECインフロンティア AX420N(CFカード型PHS通信端末)は使えず、SDカード型のPHS通信端末や無線LANカードを導入する予定もないので、通信関係の設定はしていない。Mio P350は車載GPS専用機として運用することになる。

車内への設置

設置箇所は運転席のドア側のエアコン吹き出し口である。取り付けホルダは、二代目車載GPS用に製作したものを流用して製作した。エアコン吹き出し口への取り付け部は、市販の液晶モニタ取り付けスタンドの部品を転用している。

取り付けホルダ
取り付けホルダ

電源は、助手席足元に増設したアクセサリーソケットに増設したUSB電源である。給電用のケーブルは、長さ1mのUSBケーブル(Aオス - mini Bオス)で、ハンドルの下を通すようにUSB電源からエアコン吹き出し口の下まで引き回した。ハンドル周辺のインパネを剥がしたり、ETCや外付けタコメータの配線もいったん外さなければならなかったので、引き回しには30分ほどかかった。

ホルダにMio P350をセットし、USBケーブルを差し込めば設置完了である。USBコネクタはかなりかっちりしており、これならしばらく故障することもないだろう。

使用感

まず驚いたのが、コールドスタートから位置取得までの早さだ。これまで使ってきたCFGPS2よりも明らかに早い。CFGPS2のGPSチップはSiRF StarII、Mio P350はSiRF StarIIIで、その性能差が現れているのだろう。CFGPS2も登場時は高感度といわれていた気がするが、それをはるかに上回る。

基本的な使い勝手はPocket Mapple Digital 9以前と同じだ。ズームバーは左配置、軌跡の保存間隔は30秒、GPSヘッドアップはOFFに設定した。それ以外はデフォルトのままである。4年も前の機種であるMio P350で最新のPocket Mapple Digital 10を動かすのは厳しいかもしれないと思っていたが、意外に動作が軽い。

Pocket Mapple Digital 10では、PDA本体の電源を切ってもGPSとの接続が切断されず、電源の再投入時に自動的に位置取得をしてくれるようになった。Pocket Mapple Digital 9以前では、PDAの電源を切ると接続が解除されてしまい、再投入時にユーザが位置取得をやり直さなければならなかった。ちょっとしたことだが、とてもありがたい。

Pocket Mapple Digital 10の新しい機能として、速度と高度が表示できるようになった。速度は車の速度計よりも小さめの値が表示されるが、速度計は大きめの値を出すように調整されているので、Pocket Mapple Digital 10の値のほうが実際の速度に近いと思われる。

高度はPocket Mapple Digital 10でしか知り得ないので面白い。どこかの峠で試したいところであるが、とりあえず日立市内を移動し、高度の変化を確認してみた。

まずは海沿いの川尻港から。正確な標高はわからないが、2、3mといったところだろう。GPSの測定結果は8m。地面とMio P350の距離(1mくらい)を考慮しても、少々高い気がする。

川尻港(茨城県日立市川尻町1丁目)
川尻港(茨城県日立市川尻町1丁目)

川尻港から西へと向かい、茨城県道10号 日立いわき線と茨城県道60号 十王里見線の旧道の分岐点へ。国土地理院 ウォッちずによると、標高48m(写真測量による標高点)とのことだが、Pocket Mapple Digital 10では62mだ。14mほど違う。

日立市十王町友部川上地区
日立市十王町友部川上地区

茨城県道60号を西へ向かう。福祉の森 聖孝園の手前で左折し、十王町高原藤坂地区へ。同じくウォッちず上の標高261m地点へと向かう。ここでの表示値は272mで、差は11mとなる。

日立市十王町高原藤坂地区
日立市十王町高原藤坂地区

測定点が少ないので断言はできないが、全体的に10mほど高めに出るようだ。この差をどう見るかは人それぞれだろうが、当研究所としては十分な精度であると考える。日本国内における車での移動において、そこまで正確な高度が必要となる場面はなく、いま越えている峠が1,000mなのか1,200mなのか、その程度がわかれば十分だからだ。

ここまで高度を中心に述べたが、緯度経度はかなり正確だ。画面上の位置と実際の位置の相違は、車での移動というレベルではほぼゼロといってよい。自分の位置を確認したいという車載GPSの目的は、十分に達成されている。

おわりに

高度の表示機能は面白い。だが、はっきりと高度差がわかる場所に行かないとその面白みも半減だ。もう少し暖かくなったらいろいろな峠に行ってみたい。大弛峠とか。

もっとも、そんなところばかりに行くからh2210が壊れたというツッコミはなしの方向で。

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