2019年9月現在、当研究所ではいまだにDVD-RAMドライブを運用している。最近には目にする機会が著しく減ったDVD-RAMディスクだが、当研究所には過去の資産が大量に存在するため、まだDVD-RAMドライブを手放すわけにはいかない。
当研究所が保有するDVD-RAMドライブは、Panasonic LF-M721JDという機種である。片面4.7GB、両面9.4GBの大容量DVD-RAMへの記録が可能な内蔵型ドライブだ。接続はATAPIである。そのため、IDEコネクタを持つマザーボード ASUS M3A78-EMで運用してきたが、それももう限界だろう。 M3A78-EMの導入は2009年6月、いつ故障してもおかしくないし、故障時にLF-M721JDを道連れにされてはたまらない。
そんなわけで、LF-M721JDの運用を継続するため、新たなPCを導入することにした。
DVD-RAMを運用するだけのPCなので、必要最低限の性能があればよく、できるだけ費用を抑える方針でパーツを選定した。
費用を抑えるには、旧PCのパーツをできるだけ流用すればよい。とはいえ、旧PCはあまりにも古く、いまどきのPCでは規格上使えないものばかりだ。そこで、主役となるLF-M721JDのほかは、ケースとカードリーダのみを流用とし、それ以外のパーツは新規に購入することした。
ケースに関しては、別記事(「H310I PROで組んでみた Windows 10導入記」)でも述べたように、当研究所では多数のPCを並べて運用するため、できるだけ同じケースをそろえておきたい。そのため、ケースを変更したくないという事情がある。カードリーダは、旧PCのほかのパーツに比べると使用期間が短く、経年劣化もほとんどなさそうなので、流用しても問題なさそうだ。
このようは方針を反映させた結果、新しいDVD-RAMドライブ運用PCの構成は以下となった。
OSはもちろんWindows 10だが、24時間稼働させるような使い方は想定していないので、Proである必要はない。そこでHomeを導入した。
流用するケース YeongYang YY-A101の都合上、マザーボードはMicroATX以下のサイズから選ぶ必要があるが、費用を抑えるにはCPUオンボードマザーがよく、できればファンレスのMini-ITXにしたい。そこで、これらの条件を満たすA68N-2100Eを選んだ。電源はSFX電源に限られるため、CORE-SFX300にした。
SSDは120GBで十分と考えていたが、価格差が小さいことから240GBとしている。HDDは以前QNAP TS-212で使っていたものを転用した。DVD-RAMの容量は両面でも9.4GBしかないため、データを一時的に保管するとしても、2TBあれば十分だ。メモリは4GB×2のつもりだったのだが、間違って8GB×2を購入してしまった。まあ、多いぶんには問題ないだろう。
上記のリストにはないが、HDMIオスからDVIメスに変換するアダプタとしてエレコム AD-DTHを導入している。A68N-2100Eのデジタル映像出力はHDMIしかなく、当研究所で使用しているKVMスイッチ REX-430UDAに接続するには、このようなアイテムが必要になる。
同じくリストにはないが、SSDの固定にはオウルテック PCIリアスロット用2.5インチHDD/SSD対応マウンタを利用している。変換アダプタを介してYY-A101の3.5インチベイに取り付けてもよいのだが、アクセスが容易なPCIリアスロットに装着したほうが後々楽そうだからだ。
IDEポートの増設に使うCIF-IDE以外は、これといった特徴がない構成である。
各パーツを所定の位置に取り付けて配線するだけなので、組み立てはそれほど難しくない。ほとんどのパーツは別のところに差したり、逆差しできない構造になっているので、間違えるようなことはほぼない。注意しなければならないのはフロントパネルコネクタ(電源スイッチやリセットスイッチ、POWER LED、HDD LED)くらいだろう。
LF-M721JDに刺さっている黄色のケーブルがいまやほとんど見かけなくなったIDEケーブルだ。以前はこのようなケーブルがケースの中に多数存在しており、とても作業しにくかったが、SATAの普及でだいぶ楽になった。

YY-A101への組み込み
ケース内部にはまだ余裕があるが、必要最低限のパーツしかないPCなのでこんなものだろう。
Windows 10のインストールには、事前にメインPCを用い、メディア作成ツールで作成したインストール メディアを使用した。インストール メディアに用いたUSBメモリは、エレコム MF-SU2B16GBKである。
環境構築はすんなりできた。組み立て終了→インストール メディアをPCに挿入→PCの電源投入→指示にしたがってWindows 10をインストール→フリーソフトを導入→終了。マザーボードに付属のメディアを使わなくてもドライバは導入されたようだ。
Windows エクスペリエンス インデックスのスコアは4.6。グラフィックスのサブスコアがいちばん低いが、Windows Aeroを使うつもりはないので気にしない。

Windows エクスペリエンス インデックス
ちなみに、現メインPCのi7-8700T+H310I PRO機はプロセッサのサブスコアが9.3、旧メインPCのi5-4670T+H81M-ITX機では5.7である。本機は6.2なので、旧メインよりやや上ということになる。
組み立てから環境構築まででトラブルらしいトラブルはなかった。しかし、問題はその後である。あまりにも動作が遅い。びっくりするくらい遅い。OSが異なるとはいえ旧メインPCのi5-4670T+H81M-ITX機よりもはるかに遅い。実は、本機の前身の旧PCであるAthlon X2 5050e+M3A78-EM機をWindows 10化したことがあるのだが、間違いなくそれよりも遅い。
ほとんどのソフトウェアの起動がもたつく。LibreOfficeのような機能豊富なソフトウェアの起動が遅いのはまだしも、TeraPadのようにシンプルなソフトウェアの起動さえ少々の間がある。これでは事務作業すらつらいだろうというのが正直な感想だ。
この感覚、どこかで味わったことがある。そうだ、CPUが486SX、メモリ8MBのPCでWindows 95を動かしたときの感覚だ。だが、本機はメモリがたっぷりある。ストレージはSSDで高速だ。ということは、単にCPUの能力不足が疑われる。CPUオンボードマザーなのでCPUだけ交換するわけにもいかず、困った困った。
Windows 10の起動時間は当研究所のほかのPCと比べて遜色ないので、DVD-RAMドライブを運用するという目的なら十分達成することができる。だけど、いまひとつ納得できないのも事実だ。
これにて当研究所のデスクトップPCはすべてWindows 10に移行した。上記の不満がないわけではないが、当面はこれで運用していこう。