2015年9月某日、私は病院でうなだれていた。ついにメタボリック症候群の烙印を押されてしまったのだ。医者いわく、とにかくやせろとのこと。そうはいわれても、平日は忙しくて運動どころではないし、普段からお酒も飲まなければ間食もしない身なので、カロリー制限も難しい。さて困った。
病院からの帰り道、無い知恵を絞って考える。そうだ、ひらめいた。だったら休日にまとめて運動すればいいじゃん。そういうわけで、水郡線 西金駅から竜神ダムまで歩いてみることにした。
2015年10月24日、8:35。西金駅で下車。いい天気だ。降車客は私を含めて5、6人。ほぼ全員がトレッキング目的のようだが、多くの人は男体山に向かうらしい。わざわざ駅から歩いて篭岩方面に向かうもの好きは、私ともうひとりだけだった。

西金駅
改札を出たところでeTrex20の電源を入れ、測位が安定するまでの間に準備をする。軽く準備体操をすませ、自販機で飲み物を購入。駅に置いてあるパンフレットをもらい、ルートを再確認。8:50、西金駅を出発。
駅を出てすぐに国道118号を渡り、茨城県道322号 諸沢西金停車場線を道なりに歩く。途中で県道を外れ、北富田の集落を経て篭岩登山口となる不動滝の入口、通称「一軒家」に到着。この時点で9:40、西金駅から50分。まずまずのペースだ。

一軒家
ここから10分弱で不動滝に到着。水量はそれほどでもないが、滝の間近に近づくことができ、幽玄な雰囲気を十分味わうことができる。

不動滝
さて、本番はここからだ。当初はこの先どう進んだらよいかわからなかったが、よく見ると滝の左後ろあたりにぼろぼろの指導票が立っており、ここから滝を高巻くことができるらしい。
意を決して突入。するといきなり鎖場が登場。なんだこれは。駅に置いてあったガイドブックではお手軽ハイキングコースっぽかったが、なんか話が違う。落ちたらけがどころか、下手したら死ぬじゃん、これ。

不動滝横の鎖場
なんだかんだで不動滝の上に出た。下をのぞき込んでもう戻れないことを知る。鎖場は登るのは簡単だが、降りるのは面倒だ。もう進むしかない。それにしても、滝を登り切ったらまともな道があるのかと思っていたら、道らしい道なんてなんてない。

不動滝の上
岩の間を縫うように進む。ただ岩の間を抜ければよいというわけではなく、場合によってはよじ登ったり飛び降りたり大忙しである。倒木もあるしたまったもんじゃない。そんな中、また鎖場が現れた。しかも鎖の支柱が抜けている。

湯沢峡の鎖場
本当に大丈夫なのかこのルートは。そう疑問に思いつつも進むと、指導票が現れた。道は間違ってないらしい。だが、指導標を無視して川の中を進む。だってそっちのほうが歩きやすそうなんだもの。ご丁寧にはしごまであるし。ただし、このはしごは上部の一点でしか固定されていないので要注意。

湯沢峡のはしご
脆い砂が露出した面を強引に登り、少し引き返す形でルートに戻る。また指導票が現れた。だいぶひどい目にあっているような気がするが、まだルートは外してないらしい。それにしてもこの記事を書いていて初めて気が付いたが、篭岩に赤いバツ印がついてるじゃないか、これ。

湯沢峡の指導標
しかも、よく見ると「西金駅へ5.7km」と「篭岩1.1km」の側の矢印の向きが微妙にずれている。実は「篭岩1.1km」側の矢印が斜め上を向いているのがミソで、指導標本体に平行な方向へ進むと、沢に入っていって最後に行き詰まる。ええ、こんな小さな矢印まできちんと見ていなかったので、きっちり迷いましたとも。
一見すると沢筋が道のように見えるのだが(たぶん皆間違えて入っていって道になっているのだと思われる)、正解はそのすぐ北の尾根筋なのだ。進みようがなくなって途方にくれていたとき、たまたま見上げた尾根筋の木に植物名を示す札がかかっていたのを見つけ、そちらが正しいルートだと気づいた。横着して沢から尾根に直接よじ登ったが、ここも後で考えたらとんでもなく危険である。
この尾根筋を見つけてしまえば、後は篭岩まで一直線。そしてほぼ全面が鎖場。相変わらず支柱は抜けている。これ絶対ハイキングコースじゃないだろ。

篭岩下の鎖場
今回はたまたま誰もいなかったが、上から人が来たらどうするのだろう。一方通行というわけではないし、すれ違いできる場所もそんなにない。こんなところ早くおさらばしたい。そんな思いが通じたのか、鉄製の遊歩道が頭上に見えてきた。あそこまであがれば終わりだ。

篭岩の遊歩道
ここまできたら一安心だが、まだ少し鎖場が続く。そしてようやく篭岩直下へ。お地蔵様にここまでの無事を感謝し、この先の安全をお願いする。

篭岩のお地蔵様
この先にははしごがあり、さらに上に登れるらしいが、あまりにも華奢なので遠慮することにした。安全帯もないのにこんなとこ登れるかっつーの。それに、萌豚ボディの筆者には、はしごの先の岩のトンネルを抜ける自信がない。

篭岩のはしご
そそくさと篭岩を後にし、篭岩展望台へ。ここから篭岩と西金方面の山々を眺めることができる。はるか下に西金駅から歩いてきた道が見え、我ながらよく登ったものだと感心する。

篭岩展望台から見た篭岩

篭岩展望台からの眺め
展望台の奥の東屋で休憩する。時刻は10:40。一軒屋からちょうど1時間だ。ガイドブックによると、一軒家から不動滝まで7分、不動滝から展望台まで30分とのこと。どんだけ健脚なんだよ。
10分ほど休憩の後、次の目的地である明山方面に向かって出発。5分も歩くと舗装路に出る。そして目の前に現れる集落。なんだこれ。あれだけ苦労して登ってきたのに、実は車で来れるのかよ!(逆ギレ)
そしてとどめの一枚。

崩落注意
こういう大事なことは反対側にも出しておいてくれませんかね(本当は「一軒家」のところにもあったのだが、地面に落ちていたうえに印刷が薄くなっていた)。というか、西金駅で告知しておいてもいいだろ!(再度逆ギレ)
そんなこんなで明山へと続く。
明山の入り口を探して舗装路を歩く。なかなか入り口が見つからない。地理院地図に記載された亀ヶ淵方面へと抜ける道に入ってみたが、人家の庭を横切ったあげく、先に進めそうにない。なにか違うと思って引き返す。

地理院地図に記載された道
明山への入り口がさっぱりわからない。これまでの経緯からすると指導標がありそうな気がするが、なかなか見つからない。かといってそのあたりから適当に入るわけにもいかず、舗装路を延々と歩く。11:15、ようやく明山登山口に到着。予想通り、立派な指導標があった。

明山登山口
登山口から急な上り坂。明山と亀ヶ淵の分岐点となる三葉峠まで続く尾根筋に上がるようだ。尾根に出るまでが大変だが、出てしまえば眺めがよく、さわやかな道が続く。所々に指導標があり、道もはっきりしているので、迷うことはないだろう。

明山へ向かう道の指導標
11:30、最初のピークに到着。ここからはロープを伝って下りていく。道はややわかりにくいが、ロープを見失わなければ大丈夫。下りたら次のピークに向かって上る。11:42、ベンチがあるふたつめのピークに到着。このピークを過ぎると三葉峠だ。

三葉峠
ここから亀ヶ淵に下りるか、明山に向かうか少し悩む。というのも、帰りのバスの時刻が気になりだしたからだ。最終目的地である竜神ダム入口のバスは14:04、その次は17:04。できれば14:04のバスに乗りたい。明山に向かうと時間が足りないかもしれない。
まあ、14:04のバスを逃しても17:04があるしな。それにせっかくここまできたのだから、明山にも登ってみよう。そう考え、ここは明山に向かうことにした。
三葉峠からは小ピークに向かって上り、そこからは尾根道となる。明山への途中、竜神ふるさと村が見える。

竜神ふるさと村
11:57、明山山頂に到着。多少の樹木に遮られるものの、ほぼ360°のパノラマが楽しめる。竜神大吊橋の向こうに東金砂山、さらにその先に多賀山地の山々が見える。標高がそれほどでもないので、こんなに眺めがよいとは思ってもみなかった。

明山山頂
ちょうどお昼ということで、山頂で昼食にする。とはいえ、あまりゆっくりしてもいられない。14:04のバスに乗るには、ここから2時間で竜神大吊橋の先まで歩かねばならないのだ。10分ほどで食事を済ませ、下山開始。
12:11、三葉峠に戻る。ここから亀ヶ淵のルートは、増水時には通行できなくなるおそれがあるとの看板が立っていた。なるほど、亀ヶ淵へのルートはどこかで川を渡るんだな。このときは漠然とそう考えた。

増水時の注意
亀ヶ淵方向の道をのぞき込むと、かなり急勾配のうえ、倒木が多くて通れるのかどうかあやしい。それでも、指導標があるのだから通れないわけがない。いまにして思えばまったく根拠のない自信をもって、亀ヶ淵方面へと踏み出した。
そして、この看板をきっかけとして、わずか30分後には遭難一歩手前まで追い込まれるのだが、この時点ではそんなことは露知らず、バスの時間を気にしつつ先を急ぐのであった。
この区間で筆者は道を間違え、あわや遭難かという事態にまで陥りました。以降の記事は、途中までは正しいルートですが、どこからか道を間違えています(どこで外れたか筆者はいまだにわからない)。ハイキングの参考にはなりませんが、同じ間違いが少しでも減らせるように、あえて顛末を記します。繰り返しますが、正規のルートではありませんのでご注意ください。真似をして遭難しても筆者は責任を持てません。
三葉峠から亀ヶ淵を目指す。三葉峠からすぐは踏跡が不明瞭だったが、少し進むと道が見えてきた。てっきり峠からの沢筋を竜神川に向かって降りていくのかと思いきや、いつの間にか尾根道になっていた。はるか下に竜神川が見える。あそこまで降りるのかと思うとめまいがする。
尾根の突き当たりに亀ヶ淵まで720mとの真新しい指導標がある。三葉峠付近の道がやや不明瞭だったので、この先も迷いやすいのかと心配していただけに、このような指導標があるとありがたい。ここから竜神川へと続く沢へと下りてゆく。

亀ヶ淵へ向かう道の指導標
沢の最上流部にも進行方向を示す指導標があり、その先にも亀ヶ淵まで500m、次いで亀ヶ淵まで430mの指導標が現れる。沢の中で道ははっきりしないが、これだけ指導標があるなら安心だ。そのまま沢を下っていく。
そう、このあたりから道を間違えたのだ。500mと430mの指導標が沢の中に立っていたため、この沢を竜神川まで下りるものだと思い込んでしまった。おそらく、どこかに沢から外れて亀が淵に向かう尾根筋に上がる道があったはずなのだが、まったく気がつかなかった。さらに、前日にいくつかのブログに目を通した結果、どこをどう勘違いしたのか、渡河地点は亀ヶ淵の上流にあり、竜神川の左岸に道があると思い込んでいた。
さらに、増水時に渡河が困難になるという三葉峠の看板がこの思い込みを補強した。亀ヶ淵から下流はたしか舗装路があるくらい立派だから、そんなところで渡河困難になるわけがない、やはり渡河地点は亀ヶ淵の上流、もしかすると何か所もあるのだろうと都合よく解釈してしまった。

竜神川へと続く沢
途中から道が怪しくなり、竜神川が近づくについて岩を乗り越えるようなところがでてきた。普通ならここでおかしいと思うのだろう。しかし、ここでは篭岩の経験が逆に働いた。湯沢峡と似ているような状態だったため、ここも同じように正規ルートだと思い込んでしまったのだ。
そんなわけで迫る岩を半ば無理やり乗り越え、ついに竜神川の目前まできたのだが、ここで立ち止まることになった。これ、どうやって降りるんだ?どうみても滝じゃないか。
そんな状況になってもなお、ここで道を間違えているという選択肢はまったく思い浮かばなかった。どうにかして降りないと帰れないではないか、なんとか降りる道を探そう。考えたのはどうやって前に進むかだけだった。道迷い遭難の見本のような思考である。
周囲を見渡したところ、沢の左岸に踏跡らしいものが見えた。そこによじ登った後、滑り降りるようにして竜神川へと降り立つ。さて、ここからどう進むのだろう。周囲を見渡しても道は見えない。それなら川を下流に向かえば、そのうち左岸に道が見えるはずだ。三葉峠にあった増水時に通れないという注意は、やはり竜神川沿いに進むということだったんだろう。そう考えて竜神川を下り始めた。
少し歩くと左岸に道っぽいものが見えた。よしよし、これで川から上がれるぞ。それにしても急な道だな、そう思いつつなんとか上りつめると、目の前に現れたのはイノシシのヌタ場だった。あれ?
ようやくこのあたりでなにか違うのではという思いが頭をもたげてきた。もしかしたら上流に戻るんだろうか。でもそれも違うような気がする。この時点においても、右岸に正規ルートがあるとは思いもしなかった(どのみちもはや戻れないが)。
目の前に巨大な岩が現れた。湯沢峡のように鎖があるのかと思ったが、いくら探しても見つからない。このあたりの流れは深そうで、川の中を進むようには見えない。だとしたら岩を高巻いて進むしかない。
竜神川の左岸を登る。たちまち高度を上げ、岩の先に進むことができた。そこまではよかったが、左岸をどこまでも登っても道らしきものは見えず、かといって川面からはだいぶ高度をあげてしまった。さあどうする。
ここはひとまず川に下りよう。これ以上を高度を上げて下りられなくなると洒落にならん。そう判断して、斜面に生えている草木を掴みながら下り始めた。だがすぐに、これより下に掴まるものがないことに気づいた。まずい。今掴んでいる草は抜けそうだ。
数秒後、掴んでいた草が抜け、私は大の字のまま斜面を滑り降りていった。だんだん加速するのがわかる。やっちまった。頼むから着地のときに骨折するなよ。それだけを祈りながら落ちていく。
たった1秒か2秒だったとは思うが、地面にうつ伏せになったまま下まで滑り落ちて止まった。手足にダメージはないか真っ先に確認する。まったく痛みがない。なんたる幸運。手足はもちろん、顔からも出血している様子もない。助かった。
どのくらいの高さを滑落したのか詳しくはわからない。eTrexのログによると、直前に27mほど高度を上げ、すぐに32m高度を下げている。さすがにそんな高いところから落ちたとは思わないが、少なくとも10mは滑り落ちたようだ。それにもかかわらず、その後の行動に支障がなかったのは、本当に運がよかっただけである。
ここでようやく悟った。道を間違えたのだと。もはや左岸に道を期待することはできない。後に戻ることも不可能だ。なにがなんでも川沿いに進み、亀ヶ淵に出るしかない。

竜神川
eTrexを取り出し距離を確認する。亀ヶ淵まであと200mもない。しかし、どう考えても道がない。川面に顔を出している岩を飛び移るような進み方も不可能だ。濡れるのを覚悟で川の中を進むしかない。
とはいえ、水温も水量もまったくわからないため、できるかどうか自信がない。そこで、試しに足を踏み入れてみると、流れに足を取られるほどではなく、水温もそこまで冷たくない。ただ、水がきれいなせいか、見た目が浅そうでも実際はかなり深い。
だが、これならなんとかいけそうだ。通れそうなラインを見定め、深いところでは太ももくらいまで水に漬かりながら進む。下着までずぶ濡れだがもうどうしようもない。あせって足を滑らせたら終わりなので、濡れた服のことは気にしないようにする。
2、3回ほど水に漬かったところで、視界が開けた。亀ヶ淵だ。ようやく竜神川から脱出できる。ほっとしたのも束の間、地形をよく見ると、淵というくらいなので滝になっていることに気がついた。淵の手前から左岸に上がれそうだが、そこで失敗すると淵に流されておしまいである。
淵の向こうには、テーブルを囲む家族連れの姿が見える。もし流されたら、彼らが気づいて助けてくれるだろうか。仮に助けてもらったとしても、無事でいられるかどうか。最後の最後でなんでこんな試練が待ち構えているとは。
えいままよ!と川に飛び込む。いままでいちばん流れが速く、深い。それでもなんとか岸にはい上がり、武生神社へと続く道へと出た。そのまま道を下り、亀ヶ淵へ。13:09、亀ヶ淵に到着。

亀ヶ淵
写真の左側の階段が正しい明山からのルートである。この階段にたどり着くには、亀ヶ淵から流れ出る細い流れ、つまり竜神川を横切る必要がある。三葉峠にあった増水時に通れなくなる場合があるという警告はここのことだったのだ。
わかりやすく図示するとこんな感じ。

亀ヶ淵の案内板
この案内板を見た瞬間、その場に崩れ落ちそうになった。竜神川でのあの苦労はなんだったんだ。というか、こういう大事なことは反対側にも書いておけっつーの!(三度目の逆ギレ)
さて、あとは舗装路を歩くだけだ。問題は14:04のバスに間に合うかどうかである。亀ヶ淵から竜神ダム入口まで約3.6km、残された時間は1時間を切っている。荷物を持たず、歩き始めたばかりであればなんとかなりそうだが、遭難しかけた身ではなかなか厳しいものがある。とはいえ、バス停で3時間も過ごすのは避けたい。
亀ヶ淵での細い流れはいつの間にかダム湖へと変わっている。両岸の紅葉が目を楽しませてくれる。上山を出てから亀ヶ淵まで誰にも会わなかったが、亀ヶ淵からは幾人かとすれ違った。皆、紅葉を楽しんでいるようだ。
13:50、ついに竜神大吊橋が目の前に現れた。長さが375mもあるとのことだが、高いところにあるためか、あまり長く見えない。おそらく多くの人が歩いているはずなのだが、下からその様子をうかがい知ることはできなかった。

竜神大吊橋
この日、竜神大吊橋ではバンジージャンプがおこなわれていた。ちょうど女の人が飛び降りるところで、頭上から大きな悲鳴が聞こえてきた。試しにカメラを向けてみる。

竜神バンジー
なにがなんだかわからない。いや、それよりもこんなことをしている場合ではない。バス停に向かわねば。竜神ダム管理事務所を通り過ぎ、そばハウス龍亭を横目に先を急ぐ。お腹が空いていたが、こんなぼろぼろの格好でお店に入るわけにもいかない。それに、服が乾くとなんだか生臭くなってきた。
14:03、竜神ダム入り口バス停に到着。14:04ぎりぎりだが、果たして間に合ったのか。田舎のバスは道が空いていると定刻より早めに通過してしまうことがあるので、少し心配になる。

竜神ダム入り口バス停
待合室に出たり入ったりしながらバスを待つ。本当はベンチに座って休みたいが、待合室の中にいるとバスに見過ごされておいていかれるのではないかと心配になり、つい待合室の外に出てしまう。
14:07、定刻より3分ほど遅れてバスがやってきた。助かった。あとは公共交通機関で自宅まで帰ることができる。

茨城交通 太田駅行きバス
バスに揺られること約40分、常陸太田駅に到着。ここから15:14発の水郡線 水戸行きに乗り、帰宅。発車まで少し時間があったので、駅のベンチで休憩する。思えば明山からここまで、落ち着いて休んだことがなかった。ここにきてようやく緊張から解き放たれた。

常陸太田駅
列車は何事もなく水戸駅に到着。よく見たら服は泥だらけ。生臭さがさらに強くなっている。こんな状態ではタクシーを使うわけにもいかず、バスに乗り帰宅。帰宅後、シャワーを浴びるため服を脱いだら、シャツは破けているし、両手両足は擦り傷だらけ。ところどころ打ち身の痕もある。こんな状態でよく無事に帰ってきたな。
あれはから約1か月、ごの原稿を書いている11月22日になってもまだ右腕に痛みがある。筋を痛めたらしく、手を前に伸ばすことができない。右手で体重を支えることもできないので、布団から出るのも一苦労だ。
このような事態を招いた原因は三点あげられる。ひとつは事前の準備不足。明山から亀ヶ淵への正しいルートを事前に調べておけば、竜神川に下りてしまうようなことはなかった。ふたつめは、少しでもおかしいと思ったら引き返すという基本を忘れていたこと。今回の場合、竜神川に下りる直前がその判断を下せるはずのポイントだった。最後は、バスの時間を気にして注意がおろそかになっていたこと。もっと気持ちに余裕があれば、どこかおかしいということに気づいたかもしれないし、引き返すという判断ができたかもしれない。
さて、この記事を書くために、西金駅で入手したパンフレット「大子町厳選おすすめハイキング(1) 男体山湯沢峡ハイキングコース」にあらためて目を通したところ、明山から亀ヶ淵への正しいルートが記載されていることに気がついた。地図を持っていたにもかかわらず、道を間違えたわけだ。
こんなオチでいいんだろうか。