北海道 朝から晩まで気動車三昧

プロローグ

「北へ。」ネタ禁止。

∩(·ω·)∩ キハタンばんじゃーい

1日目 上野→苫小牧

2007年1月14日、上野21:45発の寝台特急あけぼのに乗車。外は真っ暗でなにも見えないので、発車したらすぐ寝ることにした。なかなか寝付けなかったが、新清水トンネル通過前には寝てしまったようだ。目が覚めたら村上だった。時間があるのでもうひと眠り。次に目が覚めたのは羽後本荘。

どの駅のホームにも雪が積もっている。今年は雪が少ないらしいが、同じ東北とはいえ太平洋岸の南の外れで育った私には十分珍しい光景である。秋田を午前7時前に出発。ここから青森までさらに3時間以上かかる。さすが青森、遠いなあ。

列車は弘前まで順調に運転してきたが、最後の最後、北常盤での通過待ちで信号機トラブルが発生。ここで1時間以上遅れ、初っ端からつまずく。いきなり予定の列車に乗れないとは、この先が思いやられる。

青森からは10:00発のスーパー白鳥95号に乗る予定だったのだが、11:19発のスーパー白鳥1号に変更になる。青森駅で代わりの指定券を受け取る。切符を見てがっかり。進行方向左側の通路側ではないか。これじゃ海が見えない。あらかじめ取っておいた指定席は右側の窓側だったのに。

青函トンネルを抜けて北海道へ上陸。生まれて二度目の北海道だ。函館で北斗11号に乗り継ぎ。あれ?キハ183系ではないか。信号トラブルがなければキハ281系のスーパー北斗9号に乗るはずだったのに。席はやっぱり進行方向左側の通路側。どこまでついてないんだ。いいもん、帰りにまた通るから。

函館では雪だったが、駒ヶ岳が後ろに去る頃にはほとんど雪がなくなった。森から先は右手に海を見ながら走る。おいおい、いくらなんでも海岸線に近過ぎやしないか?森付近は砂浜の上を走っているんじゃないかと思うくらい海が近い。同じように海岸沿いを走る常磐線でも、ここまで海面に近いところは通らないぞ。

並行する国道5号を特急に負けじとトラックが走る。いくら雪がないとはいえ、濡れた路面でよくそんなスピードを出すよな。さすが北海道だ。長万部から室蘭本線に入る。秘境駅で有名な小幌を通過し、伊達紋別へ。ここまでくると内浦湾を半周したことがよくわかる。列車は東室蘭から再び北上開始。

苫小牧に到着。当初の予定では苫小牧から2614D 普通列車 夕張行きに乗り継ぐことなっていたのだが、列車の遅れのため不可能に。そう、今回の旅の目的のひとつは、財政破綻した夕張市(2007(平成19)年3月6日、財政再建団体に認定)を見物することだったのだ。しかし、ただでさえ本数の少ない石勝線。予定を変更して北斗11号で南千歳まで向かい、さらに普通列車に乗り換えて千歳で下車する。

千歳でいったん駅の外にでる。雪はあるもののそれほど…いや、ぜんぜん寒くないぞ。千歳から2643D 普通列車 夕張行きに乗車。それこそ本数の少ない石勝線南千歳 - 追分間の普通列車に乗車できるのでよしとする。乗客はそれなり、高校生が半分というところか。追分に着く頃にはすっかり日が落ちた。だんだんと乗客が減り、夕張に着く頃には数えるくらいになった。夕張到着は19:16。そのまま折り返しの列車で夕張を後にする。滞在時間8分。なにをしに来たんだ、俺。

夕張駅前
夕張駅前

折り返しの列車は追分止まりなので、追分から1474D 普通列車 苫小牧行きに乗車。今夜の宿は苫小牧に予約してあるのだ。苫小牧の駅を出ると、路面はあちこちアイスバーンになっている。転ばないよう気をつけながら宿へ向かう。

2日目 苫小牧→帯広

朝10時前に宿を出発。10:29発の日高本線 2225D 普通列車 様似行きに乗車。寝台特急北斗星が遅れており乗り継ぎの客を待つとのことで、10分ほど遅れての発車となった。青空が広がるいい天気だ。列車は室蘭本線から離れ、原野の中をひた走る。本当に原野という言葉が相応しい。海岸沿いに工場は見えるものの、それ以外は真っ直ぐな道路と真っ直ぐな線路があるだけ。駅間も長い。これならあっという間に遅れは取り戻せるだろう。

いつの間にか雪は消える。運転士はワイシャツ一枚だし、あまり冬という感じはしない。しかし、途中で越える鵡川や沙流川は全面が凍結している。こんな大きな川が凍っているを見るのは初めてだ。これぞ北海道。鵡川から先、いよいよ海岸線に沿って走り出す。進行方向の右手に海、左側に牧場といった光景が続く。これも本州ではなかなか見られない光景だ。

静内に到着するころには定刻通りの運転となっていた。次の東静内から少し内陸に入り、海岸線は見えなくなる。ところどころから中高生が乗ってくる。苫小牧出発時に比べてだいぶ乗客の平均年齢が下がったような気がする。その一方で出張のサラリーマンらしき風情の人物もいる。こんなローカル線で出張というのも本州ではまず目にすることはない。のんきといえばそれまでだが、今年はたまたま記録的な暖冬のためそう見えるだけなのだろう。冬の北海道における確実な移動手段として、鉄道はまだそれなりの役目を果たしているのかもしれない。

乗客のほとんどは浦河で下車。想像していたよりも町の規模はだいぶ小さい。意外だったのは平地が少ないことだ。山が海岸線まで迫り、その海岸線に沿うように建物が並ぶ。列車は人家のすぐ横を何事もなかったかのように通過する。しかし、そんな光景も次の東町駅まで。そこから先はこれまでと同様、のんびりとした光景が続く。そして終点の様似へ。この先もレールが続きそうな雰囲気があるだけに、え?ここで終わっちゃうの?という感じである。

様似駅
様似駅

様似からJR北海道バス 日勝線に乗車。国道336号 襟裳国道をえりも岬目指して進む。途中、アポイ山荘を経由するが、降車、乗車ともになし。ときどき思い出したようにバス停があり、ぽつぽつと人家があるが、乗客は皆無である。様似からのわずかな乗客もほとんどがえりも町内で下車。ここから先は私を含めて乗客は二名のみ。

バスは国道を離れて襟裳岬へ。油駒の集落を過ぎると坂を上り、岬の尾根に当たる部分を走る。結構高いところを走るので眺めはいい。バスのほかに車もいないし。岬の先端に近い襟裳岬バス停で時間調整の後、出発。岬の下の集落を抜けると、しばらくバス停はない。左手に牧場、その彼方に航空自衛隊 襟裳分屯基地のレーダーが見える。

山が海岸線に迫ってくるあたりで国道336号に戻る。庶野の集落を抜けると通称「黄金道路」の始まりだ。道路に黄金を敷き詰めるぐらいの建設費が投じられたためこう呼ばれるようになったという。バスは海岸線を縫うよう…でもないな。半分くらいはトンネルだ。日勝○○という名前は立派なバスがあるが、こんなところで降りたら途方に暮れてしまうようなところばっかりだ。

広尾橋を渡り、ちょこっと坂を上ると広尾市街に入る。乗車すること約2時間、バスは定刻通りに終点の広尾に到着。もう一人の乗客は終点の少し手前で下車してしまったため、最後まで乗っていたのは私だけだった。ここまでほとんど雪はなかったのに、広尾市街にはそれなりに雪が積もっている。もちろん、道路はきちんと除雪されているが。

旧広尾駅
旧広尾駅

旧広尾駅を利用した待合室で次のバスを待つ。16:09発の十勝バス 帯広行きだ。また私だけと思いきや、高校生を数名乗せてバスは出発。そういやもう夕方だもんな。みるみるうちに日が落ちる。広尾市街を出ると、道はひたすら直線である。次から次へと後続車に抜かれてゆく。そういえば、黄金道路と違って交通量がずっと多い。

それにしてもバス停の名称にやる気が感じられない。野塚13線だの11線だの、最初はなんのことかさっぱりわかならかったが、よく見ると国道と交差する農道の名称らしい。要するに農道をここまで歩いてきてバスに乗れってことか。豊似から国道236号 広尾国道に入る。

広尾町の隣、大樹町に入ると乗客が増える。通勤で利用してる人がいるようだ。そして次の忠類村。なんとなく予想はしていたが、やっぱりナウマン象尽くしだった。ほかに人を呼べそうなものがないとはいえ、なんでもナウマンってつければいいもんでもないぞ。そもそも、ナウマンって人名ではなかったっけ?

忠類を出る頃にはすっかり真っ暗だ。暗くてよくわからないが、なんとなく雪が増えたような気がする。バス停は頭だけ出して雪の中だったりするし。しかし、そんなバス停にも乗客がいるのである。いったいどこからやってくるのやら。更別では国道から外れ、町の中に入る。こぢんまりした商店街に役場、郵便局、農協がそろっている。いかにも原野の真ん中の開拓村といった感じである。かつては鉄道駅もあったのだろうが、いまはバスが通るだけだ。

中札内を経ていよいよ帯広へ。しかし、ここから先がまだまだ長い。向かう先の空がぼんやりと明るいのがわかる。たぶん帯広市街の明かりだろう。帯広広尾自動車道 帯広川西ICを過ぎると、国道236号から離れてかなりしょぼい道へと入ってゆく。除雪が完全でなく、ところどころアイスバーンになっている。あっ、いまスリップしただろ。大丈夫か、おい。どこをどう走っているのかだんだんわからなくなってきたが、イトーヨーカ堂の中に入り、長崎屋の前を通って終点の帯広駅前へ。広尾を出てから2時間20分、我ながらよくこんな長時間乗っていたものである。

帯広は予想してよりもずっと大きな街だ。市街地に入ってからのバスは、それまでの長距離路線バスの雰囲気から一転して都市部の循環バスのようになる。この豹変ぶりには少々驚いた。そして市街地が広い上に、駅の南北両方ともそこそこ栄えている。東北地方の中小都市よりはよっぽど活気があるんじゃなかろうか。

バスを降りて宿へ向かう。なんか歩道がぜんぜん除雪されていないんですが。交差点はアイスバーンと化し、タイヤをキュルキュルいわせながら車が曲がってゆく。よく見ると車も人も結構皆滑ってるし。それでも事故はおこさないのだから不思議なものである。

3日目 帯広→小樽

帯広駅
帯広駅

朝9時前、帯広駅へ。相変わらず寒くないので、ホームへ出てサボの交換作業を見て過ごす。9:20発の3430D 快速狩勝で帯広を出発。すぐに高架から地表に降り、帯広貨物駅を通過。DF200が停車している。芽室から先は沿線の家々が消え、線路もくねくねと曲がり出す。十勝平野は終わりらしい。新得を出ると、いよいよ列車名にもなっている狩勝峠越えだ。

新得山トンネルを抜けると、眼下に銀世界が広がる。これでこそ北海道へきた甲斐があるというものだ。列車は苦しそうに峠を登ってゆく。新狩勝峠トンネルで石勝線と別れ、落合へ…って通過か。次の幾寅で停車。並行する国道38号を走っている車はほとんどない。たまにトラックが結構なスピードで通過するくらいだ。

かなやま湖から空知川に沿ってくだり、富良野市街へ。新得を出てからようやく平地らしい平地に出た。と思ったのも束の間、再び空知川に沿って山に挟まれた狭い谷間を走る。少し開けたと思ったら芦別、そして赤平。そしていよいよ終点の滝川だ。滝川到着は定刻どおり12:35、帯広からおよそ3時間というところだが、景色に見とれていたせいか長時間乗っていた気がしない。

滝川駅
滝川駅

滝川は雪が降っていた。この旅行で初めての本格的な雪である。同じ北海道にもかかわらず、昨日の日高本線とはまったくの別世界だ。928D 普通列車 岩見沢行きに乗り換え。函館本線を札幌方面目指して南下する。積雪がすごい。踏切なんか埋まっているし。岩見沢までおよそ1時間。ここで3228M 快速いしかりライナーに乗り換え。北海道上陸後、二回目の電車だ。もっとも、一回目は南千歳→千歳の一駅間だけだったので、実質的にはこれが初めてといっていいだろう。滝川であれほど降っていた雪はいつの間にかやんでいた。

石狩川を渡って江別から先、いかにも大都市の郊外といった風景になる。厚別を過ぎて千歳線と合流、ここからはもう立派な都会だ。札幌でしばらく停車した後、終点小樽へ向けて発車。あっという間に左手から山が迫る。銭函までくると、すぐ右手は海である。ここから小樽まで海岸線ぎりぎりを走る。海はどんよりとしていて暗いが、これはこれで北海道の味だろう。

小樽で列車を降り、今夜の宿へ。観光地はあまり好かないのだが、この先、函館まで大きな街はないのでやむなく小樽に泊まることにした。

小樽運河
小樽運河

札幌でもよかったのだが、明日の朝できるだけ寝ていたいというずぼらな理由のため、あえて小樽にしたのだ。まあ、たまにはこういうこともある。

4日目 小樽→青森

朝7時過ぎに宿を出て小樽駅へ。8:07発の2932D 普通列車 長万部行きに乗車。またまた気動車だが、こんどの列車は違う。キハ40ではなく、キハ150である。車内では英語のアナウンスが流れる。そんなの無駄だろうと思ったら、乗客に外国人がいるのである。しかも英語が母国語と思われる金髪碧眼の外国人である。

小樽を出てすぐ、函館本線はそのローカルっぷりを十分に発揮する。谷沿いに少し高いところをくねくね、くねくね。そして次々と現れるトンネル。しかし、そんなローカルっぷりはお構いなしに、小樽からの乗客は結構多い。先述の外国人はさておき、高校生がそれなりに乗車しているからだろう。

そんな高校生達も仁木でいなくなった。周囲の景色はさらに閑散としてくる。並行しているのは国道5号らしいが、車は全く見かけない。本当にこの線路と道路は函館に続いているのだろうかと不安にさせるくらいなにもない。そんなこんなで倶知安に到着。さらに乗客が減る。外国人も降りていった。

倶知安は雪。列車到着と同時に除雪要員が出てきたが、どうみても乗客よりも多い。これで本当に採算がとれているのだろうか、人ごとながら心配になる。倶知安から先も相変わらず、あまりにくねくね走るもんだからどっちを向いているのか次第にわかならくなってくる。それでも、黒松内からはなんとなく南下を始めたのがわかる。雪もやんできたし。

蕨岱、二股と進むにつれて周りの雪がなくなった。そして終点の長万部へ。到着は11:13、小樽から3時間強。昨日と同じく、風景に感心している間に着いてしまったという感じだ。だが、問題はここからである。次の2844D 普通列車 函館行きは13:00、それまで長万部の駅で過ごさねばならないのだ。

長万部駅
長万部駅

まずは売店で名物のかにめし弁当を注文する。すると、次の特急北斗8号に積み込むぶんと一緒に持ってきてくれるという。いったいどういうことかと尋ねると、売店に作り置きの弁当はなく、電話をすると弁当屋が配達してくれるとのこと。すぐに弁当が到着。弁当を食べながら時間を潰す…って2時間も潰せるかあっ!!

しかし、ほっといても時間は経過する。列車の入線と同時にホームへ出て乗り込む。もっとも、そんなに焦らなくても乗客はそんなにいないのだが。一度通ったルートを戻るのは癪だが、列車を使うからにはこればっかりはしかたがない。ぼーっと海を見ること1時間19分、森へ到着。停車時間が10分ほどあるため、売店でいかめしを購入。さっき食べたばかりだろうという突っ込みが入りそうだが、かにめし弁当は昼食でいかめしはおやつである。

森駅
森駅

森から先は来たときと異なり、渡島砂原経由である。雄大な駒ヶ岳をぐるりと取り囲むように列車は進む。大沼の向こうに見える駒ヶ岳もまたよい。平日の昼間からこんなことをしていていいのだろうかという気にさえなる。だが、そんなも感傷も七飯まで。たくさんの高校生が乗ってきて、あっという間に通学列車と化す。

函館から特急白鳥42号に乗り換え青森へ。青森で一泊し、翌日は東北本線から常磐線へと普通列車を乗り継いで帰宅。実はこれがいちばん面倒で、ひたすら乗り継ぎ、乗り継ぎ、乗り継ぎ。ゆっくりご飯を食べている暇もない。さらに仙台まで着いたところですっかり帰ってきた気になっていたが、そこから茨城県まで遠いこと。

ちなみに、今回の旅行でいちばん寒かったのは八戸駅のホームでした。なんでやねん。

エピローグ

このお話の出演は…

そして、そのほかの皆さんでした(声:森本レオ)。

∩(·ω·)∩ キハタンばんじゃーい

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