諸般の都合によりダイハツ ミライースL “SA Ⅲ”を運用することになった。スマアシⅢを装備するものの、オーディオすらディーラーオプションというスパルタンな仕様だったが、オーディオユニットとETC車載器を自力で装着し、ようやく「普通」の車になった。
しかし、いまどきの車としてはまだ足りない装備がある。いま話題のあおり運転に対抗するためのドライブレコーダだ。車の見た目が地味で、外見や言動が粗暴な乗員がいる可能性がほとんどなく、動力性能も最低限のミライースはあおり運転の格好のターゲットだろう。
そんなわけで、あおり運転対策としてドライブレコーダーを取り付けてみた。機種はKENWOOD DRV-MR745。評判がよさそうだったことから本機を選定した。本稿はその取り付け作業の備忘録である。

KENWOOD DRV-MR745
前方と後方の同時録画に対応した前後2カメラのドライブレコーダである。GPS機能を搭載しているので、常に正確な時刻と位置の記録が可能だ。新開発の「スモークシースルー機能」を搭載し、リアガラスにスモークガラスを使っていても明るく撮影できる。
フロントカメラ、リアカメラともにF値はF1.8で、おそらく現在のところ最も明るいレンズが採用されている。フロントカメラのレンズ画角は対角150°水平122°垂直63°、リアカメラのレンズ画角は対角111°水平110°垂直52°で、いずれもかなり大きい。
フレームレートは27.5fpsで、東日本と西日本の両エリアのLED信号機に対応している。フロントカメラ、リアカメラともに解像度は1920×1080(動画最大約207万画素)のフルHDだ。ただし、HDR(ハイダイナミックレンジ)を搭載するのはフロントカメラのみである。
仕様で最大とされている32GBのmicroSDHCメモリカードが付属するのは好感が持てる。いまとなっては高価な部類に入る機種だが、コストパフォーマンスは決してわるくない。
フロントカメラの取り付けが可能な場所はフロントガラス全体の上部20%以内かルームミラーの裏側と法令で決まっている。さらに、実用を考えるとワイパーの可動範囲内に取り付けるのがベストだ。
しかし、ここにひとつの問題がある。その位置にはスマアシⅢのステレオカメラが鎮座している。ステレオカメラの左右に取り付けるしかないが、そうするとワイパーの可動範囲から外れてしまう。これはどうしようもない。しかたがないのでフロントカメラはステレオカメラの隣、助手席側に取り付けた。

フロントカメラ
フロントカメラの取り付けはこれだけだ。貼り付け時に少し気を使うが、それほど難しい作業ではない。
問題はリアカメラである。リアカメラの取り付け位置には法令による制限はないが、リアガラスの上部に取り付けるのが一般的だ。しかし、ミライースのようなハッチバック車でリアガラスに取り付けようとすると、バックドアと車体をつなぐ蛇腹の中にケーブルを通したり、ウェザーストリップを剥がしたりと配線作業が著しく面倒なのである。
そんな作業はしたくないし技術もない。いろいろ思案した結果、アルミ板で作成したプレートにテープでリアカメラを取り付け、そのプレートをルーフライニングクリップで天井に取り付けた。これならカメラは車体側に固定されるので面倒な配線作業をしなくてすむ。
ケーブルはルーフヘッドライニングリヤトリムカバー(63378-B2010-B0 ダイハツ純正部品)にあけた穴から取り出している。ケーブルの保護のため、穴にはグロメット(GB15 共和化学工業所)をはめておいた。

リアカメラ

プレートへの取り付け

ケーブルの取り出し
ルーフライニングクリップの挟み込み力が弱く、カメラを引っ張ると簡単に抜けてしまうが、普通に運転しているぶんには問題ない。アルミ板を軽く「く」の字型に曲げてばね力が効くようにしたが、あまり効果はないようだ。両面テープで貼り付けてもよいのだが、ルーフライニングにダメージが入りそうなのでやめておいた。
ただの手抜き施工なのだが、結果としてバックドアを開けてもリアカメラの位置が変わらずに後方を録画できるようになった。それが役に立つときは相当に不幸な事態に陥っていると思われるが、ないよりはましだろう。
フロントカメラへの電源供給には付属のシガーコードプラグは使わず、別途購入したエレコムのUSB2.0 mini-Bケーブル U2C-M30BKとアークスのUSB充電器 X-191を用いた。自己責任となるが、ひとつしかないアクセサリーソケットを占有するわけにはいかない。USBケーブルは、ルーフ裏からAピラー内部、グローブボックス裏を経由してアクセサリーソケットまで配線した。
フロントカメラとリアカメラの接続には付属の車外後方撮影用カメラケーブルを用いた。このケーブルは長さが8mもあり、軽自動車のミライース L “SA Ⅲ”ではかなり余ってしまう。そこで、いったんAピラーを経由してグローブボックスの裏でまとめ、再びAピラーを経由して助手席側のフロントドア、リアドアのウェザーストリップ内部を通し、後方へ必要な長さだけを配線している。

アークス X-191

Aピラー内部

グローブボックス裏
作業の内容はそのものは簡単なのだが、ケーブルをあちこち通すのが面倒くさい。特に、車外後方撮影用カメラケーブルは太くて固いため取り回しにくい。だが、このケーブルは汎用のUSBケーブルでは代用できないらしく、使わざるを得なかった。もう少し細くて柔らかいとありがたいのだが、もしかしたら地デジ干渉対策のためシールドが入っているのかもしれない。
記録された映像をAviUtl version1.10でキャプチャし、IrfanView Version 4.57-64bitで50%にリサイズしたものが下の写真である。リサイズとJPEG化による劣化があるので、あくまで参考ということで。
改稿(2021年4月25日)
写真の取り込みとリサイズ方法を変更しました。また、写真を一部入れ替え、それにあわせて記述を修正しました。
晴天下、片側交互通行の信号で停止しているところ。フロントカメラに映っている先行車のナンバープレートは白飛びしてしまい、一連指定番号しか読み取れないが、対向車のナンバープレートははっきりと読み取れる。リアカメラは後続車、対向車ともにナンバープレートがきちんと映っている。

福島県道14号 いわき市田人町石住 フロントカメラ(2020年4月24日 14:27)

福島県道14号 いわき市田人町石住 リアカメラ(2020年4月24日 14:27)
冬の曇りの日の夕方、交差点内での信号待ち。だいぶ暗くなってきているが、前後の車のナンバーははっきりと読み取れる。信号機が消えてしまうこともない。

福島県道10号 いわき市佐糠町 フロントカメラ(2020年2月16日 16:54)

福島県道10号 いわき市佐糠町 リアカメラ(2020年2月16日 16:54)
雨天での信号待ち。フロント、リアともにワイパーの通過位置からカメラがずれているため、雨のときはガラスに付着した水滴越しの撮影となってしまう。それでも、それほど強い雨でなければ、前後の車のナンバーはかろうじてわかる。

福島県道10号 いわき市錦町江栗 フロントカメラ(2020年2月16日 14:13)

福島県道10号 いわき市錦町江栗 リアカメラ(2020年2月16日 14:13)
時速30km/hで走行中の映像。車間距離があるため前後の車のナンバープレートを読み取ることはできないが、車種を絞り込むには十分な情報量がある。画面の端で歪みは大きいもの、「停止位置」という文字ははっきりとわかる。

福島県道14号 いわき市遠野町大平 フロントカメラ(2021年4月24日 14:38)

福島県道14号 いわき市遠野町大平 リアカメラ(2021年4月24日 14:38)
トンネル内を走行中。対向車のナンバープレートまで読み取ることはできないが、車種や特徴は十分わかる。対向車がぶれているのは、対向車の速すぎるせいだ。たぶん。

福島県道14号 御斉所トンネル フロントカメラ(2021年4月24日 14:34)

福島県道14号 御斉所トンネル リアカメラ(2021年4月24日 14:34)
初めての前後2カメラのドライブレコーダということで、取り付け前はリアカメラがバックミラーに写りこむと運転に差し障るかもしれないと心配していたのだが、カメラが小さいためまったく気にならなず、杞憂だった。まあ、そのように設計されているだろうから、当たり前といえば当たり前かもしれないが。
車内の音声はしっかり録音されており、後部座席の人の声も聞き取れる。音声録音機能はプライバシーとの兼ね合いがあり、利用すべきか迷うところであるが、本車ではオンのまま運用している。
今回は簡単に取り付けることができたが、たまたまルーフヘッドライニングリヤトリムカバーを利用できたことと、安価な軽自動車ゆえパネルの取り外しが容易で配線が容易だったためだったといえる。特にリアカメラの取り付けは面倒なので、専門業者に依頼してしまったほうが楽で早いだろう。
前後2カメラのドライブレコーダーは入手しやすい価格になってきた。また、少し前まではリアカメラの性能がいまひとつだったような気がするが、いまではフロントカメラと比べて遜色がない。特段の事情がない限り、これからは前後2カメラのドライブレコーダーを導入すべきだろう。
とはいえ、本機が役に立つ機会がこないことが望ましい。これからも安全運転を心がけるようにしたい。