M3A78-EMで組んでみた Windows 7導入記

はじめに

2010年2月17日、Windows 7を導入した。できればService Pack 1が出るまで待ちたいところではあったが、そろそろVista以降のWindowsに慣れておいたほうがよさそうな雰囲気なので、思い切って導入してみた。

パーツ選定

Windows 7を導入するPCは、2009年6月14日に導入済みのWindows XP機だ。当研究所のメインPCとして活用している機体で、スペックは以下のとおりである。

ケースYY-A101の都合上、電源はSFX電源である。M3A78-EMはグラフィックス機能を内蔵するが、性能が疑わしいので別途ビデオカードを準備している。LF-M721JDはカートリッジ式のDVD-RAMにも対応したMULTIドライブだ。それ以外、特筆すべきことはないだろう。

Windows 7のインストールと環境構築

今回はアップグレードインストールではなく、新規インストールを選択した。旧OSの残滓が残るようなアップグレードインストールはあまり好みではない。気分の問題かもしれないが、いくつかの商用ソフトウェアもあわせてアップデートするので、できるだけクリーンな状況がいいだろうとの思いもある。

Windows 7のインストールはきわめて簡単で、CDから起動するだけだ。これは2000やXPでも同じだが、インストールに要する時間は短縮されているような気がする。現時点ではWindows Updateの項目も少なく、インストール後、アップデートと再起動を繰り返さずにすむのがうれしい。もっとも、あと2年も経てばUpdateだらけになるのだろうけど。

ドライバは初期状態のものでほぼOKである。ACPIドライバだけ自動で入らないので、手動で入れる。ついでにCATALYSTとオーディオ関係のドライバを最新にする。続いてウイルスバスター2010、ATOK 2010、スーパーマップル・デジタル10をインストール。これらはどれもWindows 7対応をうたっているだけのことはあり、あっさり終了。

Windows エクスペリエンス インデックスのスコアは5.1。グラフィックスのサブスコアがいちばん低いが、Windows Aeroを使うつもりはないので気にしない。

Windows エクスペリエンス インデックス
Windows エクスペリエンス インデックス

このスコアが高いのか低いのか、比較対象がないのでよくわからない。よい数字ではないみたいだが、だからといってダメということはなさそうだ。

環境構築

本格的な環境構築に入る。まずは見た目から。なるべくXPライクというか、95ライクが私の好みだ。そこで、デスクトップのテーマをWindows クラシックに変更し、視覚効果は「パフォーマンスを優先する」にしてすべてOFFにする。Windows 7ではクラシック スタートメニューがなくなってしまったので、CSMenuを導入した。タスクバーのデザインは「小さいアイコンを使う」にチェックを入れ、タスクバーのボタンは「結合しない」にする。XPとは微妙に違うが、雰囲気は似ているのでよしとする。

続いて、OpenOffice.orgやAdobe Reader、Adobe Flash Playerといったソフトウェアをインストールする。それから細々としたフリーソフトを導入していくのだが、ここで初めてつまづいた。

というのも、Vista以降のWindowsでは、UAC(ユーザーアカウント制御)というものが導入されているためだ。UACとは、OSの管理下におかれているフォルダ内のファイルを書き込みや変更から保護することで、ウイルスやスパイウェアの侵入を防止するための機能である。困ったことにC:\Program FilesはOSの管理下にあるため、ここにフリーソフトをインストールしまうと挙動がおかしくなることがある。これを回避するには、Cドライブの直下に適当なフォルダをつくって、そこにインストールすればいいらしい。

そんなこといわれたって、もうC:\Program Filesにインストールしちゃったよ。いまさら動かすのも面倒だし、不具合が出たら対処することにする。もっとも、いまのところほとんどのフリーソフトはC:\Program Files内に入れても動いている。唯一、動作があやしくなったのがメーラーのsesnaだ。「hoge(ファイル名)は別のプロセスが使用しています」とかそんな感じのエラーを出して後にも先にも進まなくなってしまう。そこで、前述のようにC:\sesnaというフォルダをつくってそこに入れたら、エラーは出なくなった。

さて、インストーラが付属せず、圧縮ファイルを解凍するタイプのソフトウェアは、自分でスタートアップメニューに登録しなければならない。これもXPと7(というかたぶんVista以降)ではお作法が異なる。XPではC:\Documents and Settings\[アカウント名]\スタート メニューにショートカットを放り込んでおけばよかったのだが、7ではC:\Users\[アカウント名]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menuに変更された。しかも隠しフォルダだし。

いろいろあったが環境構築は半日で終了。メインの環境として運用を開始する。

Windows 7の不満点

1ヶ月ほどWindows 7を使用してみた。ほぼ毎日、6時間程度使用しているが、OS落ちたりするようなことはない。その点ではまあ安心だ。しかし、XPに比べて不満がないわけではない。特にファイル操作に関しては、XPから見た目が大きく変わり、中にはどうみても機能低下なのでは?と思われるものもある。そんな不満点を列挙してみた。

エクスプローラーの挙動

あるフォルダをファイル名でソートする設定にしているとき、そのフォルダ内のファイル名を変更すると、変更直後に勝手にソートしてしまう。おかげで、ファイルが大量にフォルダでは、変更後にファイルを見失なうことになる。手作業でひとつひとつファイル名を変更していくような操作では、ミスを誘発しかねない。

フォルダ内のファイルを未選択状態にしにくい。XPではファイル名以外の場所をクリックすればファイル未選択状態になったのだが、Windows 7ではクリックした場所がファイル名以外(サイズや種類、更新日時等)であっても選択状態になる。フォルダ内に多数のファイルがあるときはどこをクリックしてもファイル選択状態になってしまい、ステータスバーにオブジェクト数やフォルダ容量を出しにくい。ファイルのコピーが正常に行われたかどうかの確認が困難になり、ファイル操作のミスにつながる。

フォルダの位置を覚えない。あるフォルダから別のフォルダにファイルをコピーしようとしてフォルダを2つ開くと、毎回重なりあった状態で表示される。これを並べ直さなければならない。非常に面倒だ。

ファイルをコピーするとき、XPでいうところの「すべて上書き」がなくなった。すべて上書きをするにはダイアログ左下のチェックボックスにチェックを入れなければならず、二度手間である。しかも上書き、ファイル名を変えてコピー、コピーしないのどれを選択しているのかわかりにくい。ダイアログがXPから変更され、明確なボタンがなくなったためだが、これも操作ミスを誘う変更としかいいようがない。

書き込むボタンの存在。確かに便利なのだが、クリックするといきなりCDドライブのトレイが開くのは困る。化粧蓋でCDドライブを隠すようなPCケースを使っている場合、誤って書き込みボタンを押してしまうと、CDドライブを壊しかねない。

ほかにも、ツールバーの「上へ」ボタンがなくなったり、細かい不満がある。XPよりも余計なお世話が増え、さらに機能が低下しているのではないだろうか。

wavファイルの互換性がない

Windows Media Playerを使うとCDをWAV(無損失)で取り込むことができる。ところが、生成されるwavファイルはタグ付きで、wav編集に使っているwavyで読み込めない。なんでこういう余計なことするかな。せめて従来のwavファイルも出力できるようにしてほしかった。もっとも、これはWindows 7のせいではなくて、Windows Media Playerのせいだと思われる。

Windows付属のペイントの刷新

Windowsにアクセサリとして付属してくるペイントは、95からXPにかけて使い勝手にそれほど違いはなかった。地味で最低限の機能しか持たないアプリケーションではあったが、それゆえにちょっとした絵を描くのには重宝してきた。

ところが、Windows 7のペイントでは機能が増え、インターフェースがリボンになった。機能増加は余計なお世話のような気がするが、まあいい。リボンは10000歩くらい譲れば我慢できないこともない。WordやExcelに比べればできることがそんなに多くないので、迷うことが少ないからだ。

それよりも重大な問題は、図形を選択するときのカーソルのセンターが、XP以前のペイントのセンターと微妙に違うことだ。おかげで、図形を切り出そうとすると、狙いのピクセルの隣を選択してしまい、とてもいらいらさせられる。

以上、ざっと不満点を並べてみたが、それだけでは不公平なので、次にいいところも見つけてみる。

Windows 7のいいところ

当初は戸惑うことが多かったWindows 7だが、慣れてくるといいところも見えてくる。いいかどうかは人によってだいぶ違うとは思うが、私にとってこれはいいなと思ったところを並べてみた。

コマンドプロンプトの起動が便利になった

任意のフォルダからShift+右クリックでコマンドプロンプトを起動できる。こんな機能をありがたがる人は限られるだろうが、私にはありがたい。もっとも、これはVistaでもできるらしい。

コマンド ウィンドウをここで開く
コマンド ウィンドウをここで開く

アドレスバーでのフォルダ移動

アドレスバーに表示されているパスのフォルダ名をクリックすると、そのフォルダに移動できる。たとえば、C:\Program Files\EAGLE-5.7.0\binにいるときに、\EAGLE-5.7.0をクリックすればひとつ上の\EAGLE-5.7.0に、\Program Filesをクリックすればふたつ上の\Program Filesに移動できる。

アドレスバー
アドレスバー

エクスプローラーから「上へ」ボタンが消えたため、初めの頃はフォルダの移動でいらいらさせられたが、この機能を知ってからだいぶ楽になった。まだちょっと不慣れなところはあるが、慣れると便利そうだ。これもVista以降の機能らしい。

タスクバーにおけるフォルダとアプリケーションの分離

XPではフォルダもアプリケーションも混在したまま開いた順番に左からタスクバーへと並んでいたが、7ではタスクバーとアプリケーションの表示領域が分離された。複数のフォルダを開き、フォルダ間でファイルを移動させるような作業ではわかりやすくてよい。

さらに、ファイルを右クリックしてプロパティを表示させたとき、プロパティがタスクバーに表示されるようになった。なぜかXPではタスクバーに表示されず、たくさん開いたウインドウの下に埋もれてしまって行方不明ということが多かったので、とても助かる。

アイコンが大きい

最初は違和感を感じたが、慣れるとこれはこれでOKな気がしてきた。私はもともとデスクトップにあまりアイコンを置かないので、アイコンが大きくなってもデスクトップが埋まってしまうようなことはない。このくらいのほうが操作しやすくていいような気がする。

こうして並べてみると、意外といいところも多いような気がする。

おわりに

こうして比べてみると、よいところと不満なところが半分ずつというところだろうか。不満点も操作に不慣れゆえといった面もあるので、時間の経過とともに少しは解消するだろう。思い返してみれば、3.1→95、あるいは98→2000の変化のほうがよほど大きく、それに比べればどうってことはないような気がする。

さて、1ヶ月ほどWindows 7を使ってみたが、Microsoftはファイルを単位したこれまでのシステムから、作業そのものを単位としたシステムに持っていきたいのだなというのが私の感想だ。ユーザーにファイルというものを意識させず、作業に集中してもらいたいということなのだろう。「あなたとPCに、シンプルな毎日を。」というWindows 7のタグラインからも、そのことが伺える。

理想としてはいいだろう。だが、現在のPCの堅牢性や互換性を考えると、余計なお世話だという気がする。95時代に比べればだいぶマシになったとはいえ、ちょっとしたことでアプリケーションが落ち、それまでの作業が失われるのはWindowsユーザーにはおなじみの光景だ。また、たった数年で規格が変わって過去のデータが加工できなくなったり、場合によっては読み込みすらできなくなるのは、よくも悪くもPCの特徴である。

このような状況に対して、一般的なユーザーが取り得る最も効果的でかつ手っ取り早い方法は、生データのファイルをそのまま保管しておくことだ。20年前、PC-9801VMで取得した実験データが今でもすぐ引っ張り出せるのは、テキストベースのファイルのまま、いま使っているPCのHDD内に転がっているからだ。

ファイル単位でデータを管理するという方法は、そう簡単にはなくならないだろう。特に過去のデータを残そうとすれば、そうするよりほかに方法はない。そのために、ファイルをファイルとして容易に取り扱えるような機能をもう少し充実せてほしかった。

逆にいえば大きな不満はこれくらいで、全体としてみれば使い勝手はそこそこよいし、XPに比べて動作が遅くなったりといったこともない。セキュリティ等、目に見えないところでの改善がなされていることを考えれば、導入するメリットは十分あるだろう。当研究所としては、導入は正解だったと判断している。

それに、どうあがいたところで、今後、身の回りのPCがVsita以降のWindowsにシフトしていくことは間違いない。現在、職場で使っているPCが壊れたら、次にやってくるのはWindows 7機だ。実験装置に付帯するPCも、これから導入されるものはWindows 7がインストールされているだろう。そのとき戸惑うことがないように、機会が持てるなら早めに慣れておいたほうがよい。

そういえばひとつだけ後悔していることがある。あと1ヶ月待てば窓辺ななみのCD付きのWindows 7だったのに。Ultimateだけみたいなので、実際に購入したかどうかは微妙だけど。

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