iPAQ h2210 二代目車載GPS

はじめに

CASSIOPEIA l'agenda BE-500+CFGPS2+Garmap CEからなる車載GPSを導入してから半年、自車位置の確認には十分な精度を持っていることがわかった。しかし、地図の範囲が狭すぎて実用的とはいい難い。最初はエリアが切り替わるごとにCFメモリカードからl'agenda本体に地図をコピーするという方法を考えていたが、やはり無理がある。

そこで、より本格的な運用を目指し、CF+SDの2スロット機であるヒューレット・パッカード iPAQ h2210を導入した。CFスロットにCFGPS2、SDスロットに大容量のSDメモリカードを挿して運用すれば、l'agenda+CFGPS2の最大の弱点であった「地図領域の狭さ」を克服できる。

というわけで、iPAQ h2210+CFGPS2+Pocket Mapple D4からなる新たな車載GPSを構築してみた。

ハードオフ 125号古河東店付近(茨城県猿島郡総和町)にて
ハードオフ 125号古河東店付近(茨城県猿島郡総和町)にて

改稿(2019年8月4日)
再掲にあたり全面的に改稿しました。

iPAQ h2210

iPAQ h2210は、日本ヒューレット・パッカードが販売しているPocket PCである。画面サイズは3.5インチ、画面解像度は240×320だ。メモリはRAMが64MB、ROMが32MBで、OSはPocket PC 2003である。

本機はCFスロットとSDスロット(SDIO対応)の両方を装備する。CFスロットにアイ・オー・データ機器 CFGPS2、SDスロットに地図データを満載したSDメモリカードを挿せば、本格的な車載GPSシステムとして運用できる。また、CFカード型のPHS通信端末や無線LANカードを利用すれば、メールやWebの閲覧が可能になる。

CFスロットに挿す機器を交換するだけで、運転中は車載GPS、それ以外ではインターネット端末として使うことができる。当研究所では状況に応じて移動手段を使い分け、必ずしも車で移動するとは限らないため、1台2役が務まる本機は頼もしい存在である。

Pocket Mapple D4

今回、使用した地図ソフトはPocket Mapple D4だ。Pocket Mapple D4は、Super Mapple Digital Ver.4に付属するPocket PC向けのアプリケーションである。動作環境は、Strong ARM(XScale(PXA)を含む)、MIPS、SH3のいずれかのCPUを搭載したPocket PC、Pocket PC 2002/2003だ。

Pocket Mapple D4のインストール手順は次のとおりだ。まず、Super Mapple Digital Ver.4をインストールしたPCの所定のフォルダに入っているインストーラをh2210上で実行し、Pocket Mapple D4本体をインストールする。インストーラはCPU別になっているので、適したものを実行すればよい。h2210ではARM版(PocketMappleD.ARM.cab)になる。

続いて地図セットを作成する。このとき、Super Mapple Digital Ver.4にはあらかじめサービスパック3を導入しておく。Super Mapple Digital Ver.4の初期バージョンは地図のエクスポートにいろいろ不具合を抱えており、サービスパック3を導入しないとまともに動作しない。

当研究所の活動範囲と車載GPSという用途を考慮し、範囲は日本全国、縮尺は広域図と中域図、データ形式はベクトル地図を選択した。データ量は156MBで、256MBのSDメモリカードに余裕で入る。中域図まで入るとは思わなかったので、うれしい誤算である。

地図ソフトの選定

前節で述べたように、今回はPocket Mapple D4を使うことにしたのだが、そこに至るまで紆余曲折を備忘録として記しておく。

まず、地図として目指す姿は、冊子のマックスマップル 全日本 道路地図である。20万分の1の縮尺でよいので、日本全国をカバーしたい。車載GPSとして望む姿は、その地図の上で自車位置がどこかわかるようなシステムだ。

そこで、当初はl'agendaと同じくGarmap CEでプロアトラス2002の地図を運用することを考えた。20万分の1の地図でそれなりの精度があることは確認済みだからだ。しかし、日本全国をカバーするような地図データの作成はそう簡単ではないことがわかり、早々に断念した。

次に白羽の矢が立ったのが、GFGPS2に付属してきたPocket Mapple D3 for I-O DATAである。Pocket PC 2003での動作は保証されていないが、当研究所で試した範囲では問題なく動作した。

だが、Pocket Mapple D3の使い勝手はいまひとつだった。衛星の捕捉状況が確認できないとか、接続ポート番号を起動毎にデフォルト値のCOM4から変更しなければならないとか、停止していると衛星捕捉状況によらず「GPS:ロスト」と表示されるとか、軌跡ログがバイナリで他形式に変換できないとかである。

そして、当研究所として致命的だったのが、「ログの保存間隔が1秒で固定されているため、2時間程度でバッファがいっぱいになり、ログ保存が中断する」という仕様である。これは短すぎる。2時間おきにログ保存をしていたのでは、快適なドライブを楽しむところではない。

この仕様はかなり不評だったらしく、後継のPocket Mapple D4では改善されているという。ログ保存機能はほしい。ほかに同等の機能を実現する方法もなさそうだ。そんなわけで、Pocket Mapple D4を導入せざるを得なかったのだ。

車載GPSとしての設定

必要な設定は電源周りだ。[スタート]→[設定]→[システム]→[電源]で、外部電源使用時のアイドルをオフにする。これで運転中に画面が消えることがなくなる。また、[スタート]→[設定]→[システム]→[バックライト]で外部電源使用時の明るさを最大にする。これなら昼間でもフードなしで画面が見える。

そのほか、GSFineder、GSPocketMagic、tGetFile.dllといったファイル操作系のアプリケーションのほか、GSPlayerやnPOPやぽけギコといった実用系のアプリケーションもインストールしたが、車載GPSの機能には関係ないので、ここでの紹介は割愛する。

車内への設置

l'agendaと同様、ホルダを自作して車内に設置した。設置箇所はセンターコンソール上の運転席側のエアコン吹き出し口である。車での使用を考慮し、つや消し黒で塗装してある。h2210は屋外での視認性がそこそこよいため、l'agendaのようなフードは設けていない。

電源は、PDA工房にて購入した「3 in 1 充電Syncキット for iPAQ」を利用し、アクセサリーソケットに直結している。車内がすっきりするので、h2210を車でよく使うのであれば、持っていて損はないアイテムだろう。

車載ホルダの裏側にはFMトランスミッタを取り付けた。h2210を車載GPS兼音楽プレーヤにしようとの目論見である。ところが、h2210のヘッドフォン端子はCFスロットの隣にあるため、幅も厚みもあるCFGPS2を装着すると、FMトランスミッタのプラグを挿すことができない。GPSと音楽プレーヤは排他利用となる。

使用感

土浦市を出発し、下館市、二宮町、栃木市、葛生町と進み、大荷場木浦沢林道へ。それから足尾町に抜け、桐生市、佐野市、小山市、結城市を経て、下妻市へと向かうルートで車載GPSを試してみた。

およそ8時間のドライブだったが、ログの保存間隔を10秒に設定しておいたところ、Pocket Mapple D3のように中断されることはなかった。ログの保存間隔はさらに長くできる(15秒、20秒、30秒)ので、このぶんだと24時間は楽勝であろう。とりあえず、Pocket Mapple D3における最大の欠点は改善されたようだ。

地図の見栄えはPocket Mapple D3とほとんど変わらない。個人的には、街と街の間を閑散としたところでは広域図(黄色のバー)の上から4番目から6番目の間、比較的渋滞するような市街地は中域図(緑色のバー)の上から4番目からいちばん下の間が使いやすいと感じた。車なら詳細図まではいらないだろう。Pocket PCでは表示する範囲が狭すぎる気がする。

ログをカスタム情報として保存し、Super Mapple Digitalで表示させてみる。約247kmとのこと。だいたいそんなものだろう。流れが早かったところでは軌跡を示す白丸の間隔が長くなり、渋滞していたところでは密になる。どこで渋滞に捕まったか一目瞭然だ。ただ、残念なことに、各点における時刻は表示できないらしい(私にはやり方がわからなかった)。ログがバイナリなのは相変わらずなので、ここは改善を望みたいところである。

接続ポート番号を覚えてくれるようにはなったものの、停止していると「GPS:ロスト」と表示されるのは相変わらずである。実用上は問題ないのだが、気になるといえば気になる。この点もぜひ改善してもらいたい。

おわりに

まだいくつか不満点はあるものの、Pocket Mapple D4はD3に比べてずっと実用的になったと思う。機能的にはカーナビにはかなわないが、遊び心と実用性が両立できるデジタルガジェットとして十分楽しめそうだ。

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